最終回:原始反射とジェネラルムーブメントとは?【小島 賢司 先生】

原始反射とジェネラルムーブメントとは?

 

前回は「発達運動学セミナーへの想い

についてお聞きしました。

 

今回は「原始反射とジェネラルムーブメント」について

発達運動学コースの内容についてお聞きしました。

 

濱田:ついに最終回になりましたね。

今回は発達運動学コースに内容について少し触れていきたいと思います。

 

小島先生:よろしくお願いします。

 

濱田:事前に少しだけ資料を拝見させてもらう中で特に気になったのが、

「原始反射」の考え方と「ジェネラルムーブメント」です。

 

恥ずかしい話、

僕はジェネラルムーブメントって言葉を初めて聞いたんですよ。

 

それと僕の周りで小児に関わっている方の話を聞く中で

小島先生の原始反射に対する考え方に違いがあるなって思ったので、

そのあたりを詳しく聞かせていただけますか?

 

小島先生:分かりました。

2010年以降の研究で3Dエコーが発達して

胎児がどんな動きをしているのかが分かってきたんです。

 

その結果、出生からの動きのまとまりに相関があったんです。

 

そういった見解が分かってきたので、

胎児の段階から運動学習はスタートしてるんです。

 

生まれた時に一見ATNRなどの原始反射に見えるものも

しっかりと観察していくと四六時中、原始反射を出している訳ではないことは、

世界中のお母さんに聞いていけば分かると思うんです。

 

でもそれを「上向いたら手足伸ばして」みたいなことを

業界が書いてることに違和感は覚えますよね。

 

研究をみていくと生まれた時とお腹の中にいる動きが一緒で

口の中で指しゃぶりしてる動きが産まれた直後はできないけど、

またできるようになるのは反射統合型じゃなくて

「手がここにある!」ってことを再学習していったから、

またできるようになったことをみていると反射だけではないなって思いますよね。

 

これが教科書ができるまでのタイムラグなんですよ!

 

それと、このアイデアを臨床へ活かせる人がいないから教科書にならない。

 

なのでこの赤ちゃんに関する研究多くがAIの学習の方へ持っていかれてるんですよ。

 

ごちゃごちゃな世界からどれだけ情報をピックアップするのかなんて正にAIですよね。

 

僕らの業界には研究データとしてあるのに降ってきてないんです。

だた、いまだに「反射だ!」って考えてる人が大勢いるんですよね。

 

濱田:そうだったんですね!

例えば、おっぱい飲みで吸啜反射とかあるじゃないですか?

つまり、「そこに乳首があって、それを見つけて吸ってみた!」みたいな感じってことですか?

 

小島先生:吸啜反射ですね。

口唇探索反射って初めは「30%」くらいしか出現してないんです。

強化学習をしていくと生起率が上がっていくんですけど、

実は1966年の段階でこれは分かってることなんです。

 

木戸:そんなに昔のことなんですか!?

 

小島先生:実はそうなんですよ!

 

濱田:確かに反射だとすれば、膝蓋腱反射のようにA = Bみたいなことですもんね!

 

小島先生:反射ならやれば出るはずですからねー。

学習の一部なので苦手な子もいたりする訳なんですよ。

 

ある先生が反射が発達だったらどうなるのか?

ってことをコンピューターの中でシミュレーションしたんです。

 

触れたら手を戻すっていうプログラミングだけで子どもをどんどん大きくしていったら

アテトーゼと呼ばれるような不随意運動がでる子どもになったそうなんです。

 

逆に当たったところを強化して、当たらなかったところのセンサーを切っていく

っていうプログラミングにすれば、

ジェネラルムーブメントにつながったそうなんです。

 

つまり、センサーの刈り込み現象が起きて

定型な発達につながるってことなんです。

 

反射による不随意な運動だと、実は発達はしないんですよね。

 

濱田:一般的な理学療法を勉強してきた人が初めて小児を担当することになったら

絶対にマイルストーンとかを勉強しそうですよね。

 

小島先生:でも目の前にいる子どもを見たら絶対に気づくと思うんです。

「これって絶対に反射じゃないよね!?」ってなりますもん。

 

濱田:いや~原始反射に対する理解が180度変わった気がしますね。

山陰で開催予定の発達運動学セミナーに参加すれば、

今まで悩んでた小児リハビリ分野での問題点を解決するきっかけになりそうですね。

 

小島先生:そうなると嬉しいですね。

例えば、腹臥位の獲得をしていく過程でずっとATNRが出現してたら絶対につながらないですから。

 

なんで屈曲が緩んでくるの?って考えていくと、

「だってこっちが楽なんだもん!」ってなるんですよ。

 

快のフィードバックがそれを選ぶんですよ。

 

その「楽」とか「心地いい」とか「できた」って感覚に繋げていかなきゃいけないですよね。

 

 

最後に一言

 

小島先生:私たちのもとにいらっしゃる方はひとり一人異なります。

 

それぞれの歴史があり、今があるわけなので当然ですよね。

それをどこまで遡れるかといったら受傷・発症が転機ではなく

「なぜそうなったか?」と、育ちでさかのぼれます。

 

根治させるなんておこがましいことは言えませんが、

発達を知ることで「その人らしさ」を一緒に見つめる作業ができると思います。

 

きっと、そこから未来は変わると思います。

 

赤ちゃんに関して言えば今があって未来があります。

 

赤ちゃんの時期は尊いものであるにもかかわず短期間であり非常に影響力を持っています。

 

怒涛の子育ての荒波の中ご両親やセラピストの関わりはきっと不安なことが沢山あると思います。

 

「迷わず自信をもって未来へ進んでいく」ために発達の基礎を学びましょう^^!

 

 

これにて終わり^^

 

 

シリーズ

第1回:なぜ小児リハビリ分野へ進んだのか?

第2回:現在の小児リハビリ分野

第3回:現代の子どもの身体と関わり方

第4回:発達運動学セミナーへの想い

最終回:原始反射とジェネラルムーブメントとは?

 

 

プロフィール

● 小島 賢司(こじま けんじ)先生

● 所属:地域療育センターあおば

● 出身校:国際医療福祉大学(大学院卒)

● 職種:理学療法士

● 子ども発達とリハビリ研究会代表

● Presents Study Group 発達運動学コース講師

● ボバース成人片麻痺基礎・成人上級者コース 修了

● ボイタ法に基づく正常運動発達講習会 修了

 

 

セミナー案内

 

現在募集中のセミナー↓

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ー 07/14,09/01,11/04 山陰:発達運動学コース(全3回)

ー オンラインセミナー1:学校では教えられない近代小児理学療法概論 ~小児から学ぶ生命の本質~

ー オンラインセミナー2:赤ちゃんの運動発達に基づく系統立てた評価・治療展開 前編(新生児期から3ヵ月)

 

【佐竹 拓也先生】 痛み・しびれに悩むセラピストのためのセミナーシリーズ

ー 06/09 高知:Clinical deployment①「問診から神経系の木を紐解く」

ー 10/20 高知:Clinical deployment②「胸郭・脊柱・骨盤の外骨格モデルと神経症状」

 

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ー オンラインセミナー1:「姿勢と運動の成り立ち ~感覚統合と自己組織化理論の臨床応用~」

ー オンラインセミナー2:「呼吸の科学とセルフケア ~身体と呼吸の関係性から紐解くセルフコンディショニング法~」

 

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濱田 聖矢(はまやん)

フリーランス理学療法士! 「Nextep(次なる1歩を踏み出す)」をテーマに、各地で講演を行いながら、高知での自費の整体サロンを運営中。 高知の働く人の健康を育てることを中心に、女性が働く社会の実現を模索中。

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