第3回:現代の子どもの身体と関わり方【小島 賢司 先生】

現代の子どもの身体と関わり方

 

前回は「現在の小児リハビリ分野」

についてお聞きしました。

 

今回は「現代の子どもの身体と関わり方」について

どのような状況にあるのかをお聞きしました。

 

濱田:小児リハビリ分野に関わってきた10年の経験で

子ども達の身体にまつわる変化ってどうなってきましたか?

 

小島先生:そうですね。

ここ10年くらいの経過を見てみると

重症児の経過が良くなっているように思いますね。

 

確かに側弯症のお子さんはいるんですが

当時の側弯よりも程度は良くなってますよね。

 

「寝たきりが良くない」って文化が出てきて

それを調査したりした結果はないんですが、

明らかに良くなっているように思いますね。

 

あと、健常の子だと

末端の肘から先、下腿から先が長くなってる子が多いんです。

 

木戸:確かに多くなっていますよね。

 

小島先生:これって非常にやっかいで、

既存の運動学と合わないことがあるんですよね。

 

成人だと背も高くて重心の位置も高くなってるからいいんですけど、

小さい子だとハンデとは言わないですけど、

体幹が強くないとなかなか手足を扱えないですよね。

 

幸いにも僕がいる横浜は県外国の方が多いんですけど、

兄弟・双子などで一人が健常の子だったときに

動きを観察してみると体幹がめちゃめちゃ強いんです。

 

日本人であの手足の長さだと

クニャクニャしてるし上手に扱えてないですよね。

 

外国人ってどうしてあそこまで強いんでしょうね!笑

日本人って本当に姿勢が崩れてるのに!

 

濱田:最近の子どもは確かに姿勢が悪いですよね!

 

小島先生:「靴、マジでその削れ方する!?」って思いますもん!

「グラインダーで削った人誰だよ!」ってなりません?笑

 

あと、去年のリアル臨床の資料でまとめてた部分だと、

「高齢出産」

「食育環境」

「運動環境」

とかが大きく変わってきまよねー。

 

遊ぶ場所はあるけど、遊具がないんですよね。

あと木もなくなってたりとか。

 

フラットな場所での遊びばかりで

木登りとかすることないですもんね。

 

濱田:あと子どものロコモティブシンドロームとかもありますよね?

 

小島先生:そうです!そうです!

この影響もまちがいなくありますよねー。

 

 

口呼吸の子も多くなっている?

 

濱田:最近の子どもを見ていると口呼吸の子が

すごく多いように感じるのですが、普段関わったりすることありますか?

 

小島先生:全くないですね!笑

 

そこは僕以外に専門的に関わってくれている先生がいますし、

顔面の形態は機能に依存して変化してくるので

咀嚼が変われば噛み合わせも変わるし

呼吸が変われば口を使って大きくなっていくますもんね。

 

機能が変わらなければ

出っ歯とか、そういった部分も良くなっていきませんもんね。

 

なのでそこは皆さんにも頑張ってほしい部分です^^

 

濱田:やっぱり体幹が弱ってきてて

鼻呼吸に必要な運動機能を獲得できずに

口呼吸へ移行して顔面形態に影響を及ぼしているように思いますね。

 

 

運動神経が悪くなっている?

 

濱田:最近の子どもって運動神経悪くないですか?

 

小島先生:増えてますよねー。

その割に習い事をしてるけど

単一の運動ばかりなんですよね。

 

いつも同じ運動ばかりするから

負担が同じ部分にかかったりして

身体を壊したりしてしまうんですよね。

 

もっといろいろな運動をさせてあげればいいんですけど。

 

本来、子どもは新生児のときからそうなんですけど

もがいてゴチャゴチャな世界の中から方向性を見出していくのに、

そのゴチャゴチャがないから動きのバリエーションをがなくて

身体の使い方ができなかったりするんですよ。

 

濱田:いわゆるジェネラルムーブメントですね?

 

小島先生:そうです。

胎児のときからそういった動きをしているんですから。

 

色々な人に抱っこされて泣かされて

あちこち連れまわされて

軟らかい布団じゃなくて

硬いゴザの上で寝かされたりで

 

酸いも甘いも含めて育っていった

バリエーションが本来の日本人にはあったんですけどね。

 

 

子育ての仕方も変わってきた?

 

濱田:良い方が合ってるか分かりませんけど

赤ちゃんに対してすごく過保護になってませんか?

 

小島先生:本当にそうですよ!

 

濱田:だから育児ノイローゼとかになったりする人も多いですもんね。

 

小島先生:多少は雑に育てるくらいで良いと思うんですよねー

 

濱田:それを習い事で補おうってのはちょっと無理がありますよね。

 

小島先生:そうだと思いますよ。

 

木戸:綺麗に育てようって感じがありますよね。

 

小島先生:僕も妻と話してますけど、

インスタのような子育ては絶対無理ですから。

子育てに関してはアレは見ない方が正直良いと思います。

 

木戸:情報が拡散してる社会だからこそ

すごい良いみたいなモノに縛られて

それが正解かのような感じになってますよね。

 

小島先生:抱っこの仕方とか

離乳食の食べさせ方とか

全ての子どもに当てはまる訳ではなくて、

 

時期が変われば求められることも変化するし

個性も違う。

 

だからトライ&エラーをながら評価していかなきゃいけない。

 

それを習い事で全部補うのは

「そうじゃないんだなー」って思いますね。

 

習いごとは用意されてるので

結果が見えてる。

 

結果が全く予測できないで

「そうきたか!」!って

アウェアネスには絶対ないですもんね。

 

濱田:正に自己組織的!って感じですよね~

 

木戸:だから何もないところから遊びを作り出すことが大切ですよね。

 

小島先生:だからPT室は散らかってる方ほうがいいんですよ。

もちろん終わったら片づけるんですけど、

始まった時に全部片付いているのは変だから。

 

片付いてたら親は何も言わないですけど、

散らかってたら「気を付けてね」って声をかけるんです。

 

子どもは何も気にせずに入ってきて遊ぶびますから。

ごちゃごちゃしてるほうが良いんですよ。

 

木戸:散らかっている困るのは大人ですもんね。

 

小島先生:遊びはごちゃごちゃしてるくらいがちょうどいいんです。

 

 

今の子育ての仕方は正しい?

 

濱田:専門職として色々な勉強をする中で

子どもに関わる仕事の役割ってすごく大きいと思うんですが、

最近は子育て論みたいなのがすごく多くなりましたよね?

 

小島先生:そうですね。

僕も子育てを実際に体験して

一人の当事者として伝えられることがたくさん増えたように思います。

 

その中で僕が思うのは、

「他人が人の家のことにズカズカと言う権利はない」ってことです。

 

だから、どんな食事をしていようが習い事をしていようが

別にいいんじゃないって思います。

 

ただお母さんが困っていることであれば

専門職として助言できることがあればさせていただきますけど、

僕の中で一貫しているのは

「関係ない事には首を突っ込まない」ってスタンスですね。

 

人の家のことをとやかく言うわけじゃなくて一人のセラピストとして関わると

そんなに多くのことは言えない。

 

ただ、この人に色々と相談してみたら色々と答えてくれるっていう信頼関係ができると

全然関係がなさそうなことでもアドバイスしてあげられることになるから、

そこはやっぱり「信頼関係」だし治療結果だと思うんです。

 

それが、ゴッドハンドのような結果を求めてるんじゃくて

親御さんにもこの一時間でスーパーミニマムでいいから共有できて、

それが積み重なっていくことなんです。

 

それを難しい言葉で伝えるんじゃなくて、

共通言語としてきちんと伝えてあげられると

よりよい方向に変わっていくんじゃないかな。

 

 

次回に続く^^

 

 

シリーズ

第1回:なぜ小児リハビリ分野へ進んだのか?

第2回:現在の小児リハビリ分野

第3回:現代の子どもの身体と関わり方

第4回:発達運動学セミナーへの想い

最終回:原始反射とジェネラルムーブメントとは?

 

 

プロフィール

● 小島 賢司(こじま けんじ)先生

● 所属:地域療育センターあおば

● 出身校:国際医療福祉大学(大学院卒)

● 職種:理学療法士

● 子ども発達とリハビリ研究会代表

● Presents Study Group 発達運動学コース講師

● ボバース成人片麻痺基礎・成人上級者コース 修了

● ボイタ法に基づく正常運動発達講習会 修了

 

 

セミナー案内

 

現在募集中のセミナー↓

【小島 賢司先生】

ー 07/14,09/01,11/04 山陰:発達運動学コース(全3回)

ー オンラインセミナー1:学校では教えられない近代小児理学療法概論 ~小児から学ぶ生命の本質~

ー オンラインセミナー2:赤ちゃんの運動発達に基づく系統立てた評価・治療展開 前編(新生児期から3ヵ月)

 

【佐竹 拓也先生】 痛み・しびれに悩むセラピストのためのセミナーシリーズ

ー 06/09 高知:Clinical deployment①「問診から神経系の木を紐解く」

ー 10/20 高知:Clinical deployment②「胸郭・脊柱・骨盤の外骨格モデルと神経症状」

 

【濱田 聖矢】

ー オンラインセミナー1:「姿勢と運動の成り立ち ~感覚統合と自己組織化理論の臨床応用~」

ー オンラインセミナー2:「呼吸の科学とセルフケア ~身体と呼吸の関係性から紐解くセルフコンディショニング法~」

 

The following two tabs change content below.

濱田 聖矢(はまやん)

フリーランス理学療法士! 「Nextep(次なる1歩を踏み出す)」をテーマに、各地で講演を行いながら、高知での自費の整体サロンを運営中。 高知の働く人の健康を育てることを中心に、女性が働く社会の実現を模索中。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

フリーランス理学療法士! 「Nextep(次なる1歩を踏み出す)」をテーマに、各地で講演を行いながら、高知での自費の整体サロンを運営中。 高知の働く人の健康を育てることを中心に、女性が働く社会の実現を模索中。