痛みを科学する②:刺激について語る

前回より「痛みを科学する」シリーズが始まりました。

 

前回ブログはこちらを参照↓

痛みを科学する①:痛みはなぜ起きる?

 

 

今回のブログでは「刺激」について考えていきたいと思います。

痛みは「痛み」という信号が脳に届いて出力(表現)された結果です。

 

そのため、信号(刺激)の正体を知ることで、

主観的で定量化の難しい痛みを理解することにつながっていきます。

 

 

刺激って何?

 

早速ですが「刺激」について考えていきましょう!

 

僕が「刺激」を考えるときは、

1.刺激の種類

2.刺激の大きさ

3.刺激の入力時間

これら3つに分けています。

 

 

1.刺激の種類

今回は痛みに直接に関わる種類に分けていきます。

 

① 物理的刺激(機械刺激)

= カラダ(組織)に対して物理的に加わる刺激

 

 触刺激:他者・環境が組織に触れる(タッチング・座る etc)

 圧刺激:他者・環境が組織に圧を加える(触診・ハンドリング・座る etc)

 圧縮刺激:組織がインピンジメント・軸圧される

 伸張刺激:組織が伸ばされる(ストレッチ・関節運動 etc)

 収縮刺激:筋が収縮する(自動運動)

 振動刺激:外部から組織が振動させられる(マッサージ・車の振動 etc)

 

*その他にも多数あり

基本的にカラダへ加わる力全てが機械刺激になります。

 

 

② 熱刺激(温熱・寒冷)

= カラダへの温熱・寒冷などの温度による刺激

 

一般的には温かい・冷たいなどを感じますが、

ある一定の温度(45 ℃ 以上~10 ℃ 以下)に達すると

温熱・寒冷刺激から痛み刺激へと変化します。

 

 

③ 化学刺激

= 炎症時に生じる化学伝達物質(ホルモン)による刺激

 

【 炎症性メディエーターの種類・作用 】

炎症が起きるとこれらの作用によって痛み刺激が入力されます。

 

 

これらの刺激の種類に応じて反応する受容器があります。

 

2.刺激の大きさ

先ほど説明した3つの刺激が受容器の許容量を超えると

痛みとして信号が入力されます。

 

① 高閾値侵害受容器

刺激量が大きくなければ痛みとして入力されず、

弱い刺激であれば通常の触圧・圧縮・伸張・収縮・振動刺激として扱われます。

 

② ポリモーダル受容器

機械・熱・化学刺激すべてに反応し

弱い刺激量でも反応します。

 

③ 温度侵害受容器

 45 ℃ 以上の温熱刺激

 10 ℃ 以下の寒冷刺激

で痛み刺激として反応します。

 

 

3.刺激の入力時間

刺激を考える際には「入力時間」という視点が大切です。

これは刺激の大きさとも関係します。

 

例えば、以下の条件では痛みとして認識されません。

● 受容器の許容量:100

● 刺激の大きさ:10/秒

● 刺激時間:5秒

● 刺激の種類:圧刺激

 

次に以下の条件では痛みとして認識されます。

● 受容器の許容量:100

● 刺激の大きさ:15/秒

● 刺激時間:10秒

● 刺激の種類:圧刺激

 

このように「刺激の大きさ × 入力時間」によって痛みが生じたりします。

 

 

刺激をどのように扱う?

 

では実際に刺激をどのように扱っていけばいいのでしょうか?

 

臨床場面でこんな体験をした人がいると思います。

 

「僕が触ると痛みが出るけど、先輩が触っても痛みが出ない」

 

これは徒手操作時の刺激の入り方によって生じる一例です。

 

 

こういった事例で、

1.接触面積と圧の関係

2.関節への持続的な刺激

3.触圧刺激の種類

などを僕は考慮しています。

 

 

1.接触面積と圧の関係

これは刺激の大きさに関係します。

刺激の大きさは「圧 / 接触面積」で考えることができます。

 

例えば、以下の条件では痛みは出ません。

● 受容器の許容量:100

● 刺激の大きさ:200

● 接触面積:5

この状況は手掌でタッチングしていると思って下さい。

 

次に、以下の条件では痛みが起きます。

● 受容器の許容量:100

● 刺激の大きさ:200

● 接触面積:2

これは手指のみでタッチングと思ってください。

 

このように触れ方が変われば刺激量が相対的に変化し、

「触圧刺激」が「痛み刺激」へと変換することがあります。

 

 

2.関節への持続的な刺激

次に少し臨床的な話をしていきます。

 

関節に痛みを生じるパターンは大きく分けて2種類です。

 関節内圧の上昇(陽圧化:関節が引き離される)

 関節への局所的な圧(持続性)

 

徒手操作では、

 骨の持ち方

 関節の動かし方

 関節の運動軸

 骨の位置関係

などが大切です。

 

これらの関係性が乱れていると上記の条件が整ってしまい、

痛みとして刺激入力されることあるんです。

 

3.触圧刺激の種類

最後に触圧刺激の種類ですが、

これは受容器の次に神経線維を介して刺激は入力されます。

 

その神経線維の種類によっては

痛みを伝えたり、快刺激を伝えたりと反応が異なります。

 

これはタッチング(触れ方)によって大きく変化します。

 

詳細は次回のブログで紹介していきたいと思います。

 

 

おわりに

いかがでしたか?

今回は、「痛みを科学する:刺激を語る」についてお伝えしました。

刺激入力と理学療法は紙一重の関係性です。

 

今まで何気なくしていたセラピーが

患者様のカラダへ刺激を与えているという視点を持つだけで

痛みへの関わり方は大きく変わってきます。

 

今回の内容が、皆さんの臨床にとって、

Nextep次なる1歩を踏み出す)」

するきっかけなれば幸いです。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

 

 

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濱田 聖矢(はまやん)

フリーランス理学療法士! 「Nextep(次なる1歩を踏み出す)」をテーマに、各地で講演を行いながら、高知での自費の整体サロンを運営中。 高知の働く人の健康を育てることを中心に、女性が働く社会の実現を模索中。

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