急性期病院の方は必見!急性期で遭遇する痛みとは?

いつもブログをみていただき、ありがとうございます。

Nextep labo代表の濱田です。

 

今回は、「急性期で遭遇する痛み」をテーマにお伝えしていきます。

急性期では手術後まもない方々が非常に多いため、

「痛み」に頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか?

 

今回は、急性期で遭遇する痛みの特徴について解説しながら、その対策方法をお伝えしていきます。

 

急性期での痛みとは?

まずは、「痛み」について簡単に説明をしていきます。

 

【国際疼痛学会(IASP)】

「痛みとは、実際に何らかの組織損傷が起こった時、あるいは組織損傷が起こりそうな時、あるいはそのような損傷の際に表現されるような、不快な感覚体験および情動体験」

と定義付けています。

 

僕は、定義はすごく大切だと思っていますが、分かりにくいと思ってしまいます。

この定義を分解していくと、

 組織損傷に起因する「急性痛」がある

 損傷と因果関係のない「慢性痛」がある

 「感覚的情動的認知的」側面がある

と考えられます。

 

急性期における痛みの大半は、①「組織損傷に起因する急性痛」だと思います。

そのため、どのような組織損傷を呈したために、身体に変化が起きているのかを考える必要があります。

 

急性期で生じる組織損傷とは?

では、どのような組織損傷があるでしょうか?

 受傷による損傷(骨折・軟部組織損傷)

 手術による損傷

加えて、組織損傷・治癒過程における「炎症」があると思います。

 

炎症に関しては、「炎症って悪者呼ばわりされてませんか?」をご確認下さい!

 

急性痛はどのように生じるのか?

まずは、損傷によってどのように痛みが生じるのかを考えていきましょう!

痛みは、受容器を介して後根(感覚神経)を介して、脊髄後角へと入力され、脊髄視床路として上行していきます。

つまり、損傷・炎症によって受容器が刺激されると痛みが生じるということです。

 

【受容器の特徴】

大きく分けると2つの受容器があります。

 

< 高閾値侵害受容器 >

 機械刺激(刺す・切る・伸ばす・押すなど)にのみ反応する

 強い刺激(侵害性)に反応して発火

 弱い刺激(非侵害性)には反応しない

 

< ポリモーダル受容器 >

 機械刺激、熱刺激(温・冷)、化学刺激(疼痛物質)に反応

 強い、弱いなどの幅広い刺激に反応する

 刺激強度に伴って興奮性を増す

などの特徴があります。

 

 

【1次侵害受容ニューロンの特徴】

主に痛みを伝える神経は、2つ存在します。

 

<Aδ神経>

 直径5μm以下、伝導速度30m/s以下の細径有髄神経

 深部組織の高閾値侵害受容器、皮膚表面のポリモーダル受容器と繋がる

 一次痛(fast pain、鋭痛、チクッとした痛み)に関与する

 

<C神経>

 直径1.5μm以下、伝導速度2m/s以下の無髄神経

 ポリモーダル受容器と繋がる

 二次痛(slow pain、鈍痛、ズーンとした痛み)に関与する

 

 

【2次侵害受容ニューロンの特徴】

主に2つの種類があります。

NSニューロンは「1次痛」に関与し、WDRニューロンは「2次痛」に関与します。

また、WDRニューロンは、「wind-up現象」を起こします。

【wind-up現象】

= 繰り返される痛み刺激によって、感受性が増大していく現象

 

 

【脊髄視床路の特徴】

大きく分けて2つの特徴があります。

 

外側系の特徴としては、「識別性が高い」ことが挙げられます。

そのため、「痛みの部位」が明確に判断できることが多いです。

 

内側系の特徴としては、扁桃体・海馬などに関与するため「痛みの意味付け」などの、感情面に関与します。

また、視床下部にもつながっていくため、自律神経症状(血圧上昇・頻脈・冷汗・顔面蒼白)なども生じます。

 

以上の流れをまとめると、急性痛への関与は、

 外側脊髄視床路

 高閾値侵害受容器

 Aδ繊維

 NS(特異的侵害受容)ニューロン

などが挙げられます。

 

そのため、痛みの特徴としては、

 1次痛で速く鋭い痛み(チクッ)

 痛みの部位が明確(finger sign:指1本で部位を示せる)

 動かす刺激によって痛みが出現してくる

などが挙げられます。

そのため、損傷した組織への「機械刺激の量を調節」することで、

痛みの程度を抑えることが可能となります。

 

 

炎症による痛みとは?

では、組織損傷による機械刺激のほかに、炎症はどのような痛みの原因・特徴があるのでしょうか?

組織損傷に伴って、治癒を行うため炎症が生じます。

その結果、「炎症性メディエーター」呼ばれる化学物質が発生します。

これらの作用により、「血管拡張」や「血管壁の透過性亢進」などが生じることで、組織治癒に貢献していきます。

 

しかし、同時に「発痛物質」や「疼痛増強物質」としての役割も担うため、「炎症性疼痛」が出現します。

これらの物質は、「血液循環障害」によってさらに増大するとされています。

 

炎症性疼痛の特徴として、

 内側脊髄視床路を介すため、ポリモーダル受容器やC線維、WDRニューロンが関与する

 2次痛で遅く鈍い(ズーン、ジンジン)

 痛みの部位がぼんやり(area sign、palm sign)

 腫脹によって組織内圧が高まった伸張刺激によっても痛む

 循環障害によりさらに痛む

などの特徴があります。

そのため、「炎症を抑えたり」、「循環を改善させる」などの対策が必要になってきます。

 

 

まとめ

① 急性痛には、「組織損傷」と「炎症」による影響が関与する

② 組織損傷は、損傷部位に対する「機械刺激の程度」によって痛みが変化する

③ 炎症性疼痛は、「炎症の程度」と「循環障害」によって痛みが変化する

 

 

おわりに

いかがでしたか?

痛みにも種類があり、それぞれに特徴があります。

これらの特徴を理解することが、術後ケアの第1歩になってきます。

ぜひ、痛みについて学びを深めていただき、質の高い術後ケアをしていただければ幸いです。

 

 

今回の内容が、皆さんの「急性期での痛みの理解と対策」にとって、

Nextep次なる1歩を踏み出す)」

となっていけば幸いです。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

 

 

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濱田 聖矢(はまやん)

フリーランス理学療法士! 「Nextep(次なる1歩を踏み出す)」をテーマに、各地で講演を行いながら、高知での自費の整体サロンを運営中。 高知の働く人の健康を育てることを中心に、女性が働く社会の実現を模索中。

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