実践的な「肩甲帯」の姿勢評価と臨床推論

いつもブログをみていただき、ありがとうございます。

Nextep labo代表の濱田です。

前回は、「姿勢評価から関節機能を考える」をテーマに、お伝えさせていただきました。

まだ、見れていない方は、ぜひ読んでみて下さい。

http://nextep-labo.net/2018/04/20/posture-reasoning-biomecanics/

 

今回は、「肩甲帯の姿勢評価方法」をテーマにお伝えしていきます。

みなさん、普段はどのように行いますか?

「背面から座位姿勢を観察する」

「上角や下角などのランドマークに触れる」

「左右で比較して位置を確認する」

などの方法があるでしょうか?

 

本日は、肩甲帯についてに理解を深めながら、評価時の注意点を押さえていき、臨床を想定した実践的な方法をお伝えしていきます。

 

肩甲帯の解剖学的・機能的な特徴と評価方法

肩甲帯ってどのような特徴・役割があるでしょうか?

肩甲帯は上肢帯とも表現されますが、「体幹と上肢をつなぐ連結部分」のことを指します。

胸郭・鎖骨・肩甲骨によって形成され、上肢が連結しています。

 

つまり、「胸郭上に肩甲骨が配置され、鎖骨とつながっている」という構造的特徴です。

そのため、肩甲骨は「肩鎖関節」のみで固定されており、

筋・筋膜のテンションバランス」、「胸郭の形状」によって位置が多様に変化します。

 

機能的特徴として、「上肢と体幹を連結」しているため、

 「下肢~体幹」の力を上肢に受け流す

 「上肢」の力を下肢~体幹へ受け流す

 「上肢運動」の際、「体幹との固定性」を高める

などの役割を担っています。

 

そのため、「可動性」と「固定性」という2つの機能を担っているため、

多様な動き方をすることが求められます。

 

肩甲骨の評価

姿勢評価を行うためには「ランドマーク」が必要です。

ランドマークの取り方で注意したいポイントとして、

① 「何のために」点を取るのか?

② 「何点」取るのか?

③ 「どの面」で点を取るのか?

ということです。

 

例えば、①「肩甲骨挙上の左右差を検討したい」という目的があったとします。

評価には「再現性」・「妥当性」が大切なので、方法を細かく規定します。

 

僕の評価手順としては、

② 評価する「」を決める

⇒ 挙上は「前額面」で観察可能

③ 評価する「」を決める

⇒ 形を捉える:「同一面内」の「3点」を結ぶ

⇒ 距離を測る:「一直線上」の「2点」を結ぶ

具体的な方法を、お伝えしていきます。

 

まず、形を捉えるために3点のランドマークを触診します。

今回は、肩峰・肩甲棘三角・下角とします。

この3点を結ぶことで、前額面上での肩甲骨を捉えることが可能となります。

 

次に、「肩甲棘三角と棘突起」、「下角と棘突起」を触診します。

互いの距離を測り、左右差を比較することで肩甲骨の上方・下方回旋量を考えます。

これによって、回旋による影響度を考慮することができます。

 

最後に、基準線からの変位を比べていきます。

注意点として、肩甲骨は「胸郭・骨盤の傾き」による影響を受けるため、⑤と⑥を始めて評価することをオススメしています。

 

下記は、アライメント変化を確認するための指標です。

 挙上・下制:上角や下角の高さ

 外転・内転:内側縁~棘突起の距離(肩甲棘内側端と下角の左右差なし)

 上方・下方回旋:内側縁の傾き、肩甲棘内側端~棘突起の距離、下角~棘突起の距離

 

このような細かい手順を踏むことで、「正確性」が向上します。

繰り返し評価を行うことで「感覚が磨かれ」てくると、

 「下角」に「触れる」だけで分かる

 「頭側」から肩甲骨に「手を置く」だけで分かる

 「見る」だけで分かる

などのように洗練されていきます。

 

 

鎖骨の評価

次に鎖骨の位置を評価していきます。

鎖骨は「クランク状」という、蛇行した形態をしています。

そのため、前方・後方回旋の量によって、「見え方」が変化していきます。

観察は、「正面」から鎖骨を「目線」に合わせて行います。

 

肩甲帯アライメント変化に対する推論

肩甲骨は構造的に自由度が高く、連結部位となっているため、様々な影響を受けます。

 筋緊張バランス

 腹内側系の賦活度

 胸郭の形状

 胸椎の可動性

 下肢構造・機能への代償

 上肢からの運動連鎖

 

筋緊張バランス

肩甲骨は多様な動きをするため、沢山の筋が付着しています。

そのため、「筋緊張が高い方向に引っ張られてしまう」という特徴があります。

 

腹内側系の賦活度

腹内側系とは「内側運動制御系」と呼ばれ、脊髄の腹側・内側に位置する伝導路の総称です。

主に、体幹・四肢近位筋の筋緊張に関与します。

つまり、「肩甲帯周囲筋」の筋緊張バランスに関与しているということです。

 

胸郭の形状

肩甲骨は胸郭上に位置しているため、胸郭アライメントの変化に応じて位置が変わります。

 肋骨方回旋位:肩甲骨挙上外転位へ誘導

 肋骨方回旋位:肩甲骨下制内転位へ誘導

 

胸椎の可動性

胸椎運動時には胸郭の形状も変化し、肩甲骨も連動して動きます。

中央に存在する胸椎に対して、左右に配置されている肩甲骨が協調的に関わっています。

つまり、肩甲骨の位置を評価することで、「胸椎可動性の優位性」を知ることにも繋がります。

 

実際に、自分の身体で動いて確認してみると分かりやすいと思います。

動き方の例として、

● 肩甲骨挙上位で体幹屈曲

● 肩甲骨下制位で体幹屈曲

などの違いを感じてみて下さい。

 

下肢構造・機能への代償

脚長差、荷重時痛などの代償手段として体幹運動を行うことが非常に多いです。

そのため、胸椎・胸郭の形状変化に伴って、肩甲骨の位置・筋緊張バランスが変化します。

 

上肢からの運動連鎖

上肢への荷重・運動パターンによっても、肩甲骨の位置は変化します。

これに関しては、別の機会に詳しくお伝えさせていただきます。

 

 

まとめ

① 評価目的に合わせた「観察面」と「ランドマーク」を選ぶ

② 「基準線」をベースに位置関係を捉える

③ 肩甲骨の位置異常に「関与する要因」を把握する

 

 

おわりに

いかがでしたか?

肩甲帯ひとつでも、様々な評価の仕方と目的、推論が可能です。

身体にとって、その部位がどのような影響を与えるのかを知ることがとても大切です。

 

皆さんの「肩甲帯の姿勢評価と臨床推論」にとって、

Nextep次なる1歩を踏み出す)」

となっていけば幸いです。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

 

 

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濱田 聖矢(はまやん)

フリーランス理学療法士! 「Nextep(次なる1歩を踏み出す)」をテーマに、各地で講演を行いながら、高知での自費の整体サロンを運営中。 高知の働く人の健康を育てることを中心に、女性が働く社会の実現を模索中。

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